Python

PaintsChainerをWindows 10に導入してみました。

先々月あたりから話題になっている線画着色Webサービス「PaintsChainer」をWindows 10に導入してみましたので、その手順をメモとして書いておきます。
(ちなみに、通常であればPaintsChainerを動かすにはGPU(NVIDIA)が必要ですが、今回はCPUのみで動かしてみました。)

PaintsChainerのすごさは上記記事を見ていただければ分かると思います。

導入環境

  • Microsoft Windows 10 Pro バージョン:10.0.15063 ビルド 15063(x64)
  • Anaconda 4.3.1 For Windows Python 3.6 version(x64)
  • 作業フォルダ:C:\wk
  • PaintsChainerインストールフォルダ:C:\wk\PaintsChainer

PaintsChainerとモデルデータのダウンロード

環境(Python)構築する前に、まずはGitHubからPaintsChainer本体をダウンロードしておきます。

  1. GitHubにアクセスします。
  2. Clone or download」から「Download ZIP」ボタンをクリックして、ファイル一式をダウンロードします。
  3. 手順2.でダウンロードしたZipファイルを開き、中にある「PaintsChainer-master」フォルダを「C:\wk\PaintsChainer」フォルダとして解凍します。
  4. 手順3.で解凍したPaintsChainerフォルダ内にある「cgi-bin\paint_x2_unet」フォルダに「models」フォルダを作成します。
  5. 学習済みモデルデータのダウンロードページを開きます。
  6. liner_f」「unet_128_standard」「unet_512_standard」の3ファイルを手順4.で作成したmodelsフォルダにダウンロードします。

以上でPaintsChainer本体とモデルデータのダウンロード作業は終了です。

Anacondaのインストール

次はPython環境を構築していきます。
今回はお手軽に環境構築できる「Anaconda」を使用します。

  1. Anacondaのダウンロードページにアクセスします。
  2. 64-Bit Installer」ボタン(32ビット環境の場合は「32-Bit Installer」ボタン)をクリックして、Anaconda For Windowsをダウンロードします。
  3. 手順2.でダウンロードしたファイル(今回の場合はAnaconda3-4.3.1-Windows-x86_64.exe)を実行し、指示に従ってAnacondaをインストールします。
  4. コマンドプロンプトを開きます。
  5. python –version」を実行して無事にバージョン表示されればインストール作業終了です。

PaintsChainerの環境設定と実行

Anaconda(Python)のインストールが終わったら、次はPaintsChainerの実行環境を整えていきます。

  1. Python Extension Packages for Windows」にアクセスします。
  2. OpenCV 3.2.0のパッケージ(opencv_python-3.2.0+contrib-cp36-cp36m-win_amd64.whlファイル、32ビット環境の場合は*win32.whlファイル)を作業フォルダ(C:\wk)にダウンロードします。
  3. コマンドプロンプトを管理者権限で開き、作業フォルダ(C:\wk)に移動します。
  4. 下記コマンドを実行し、仮想環境(opencv)を作成します。
  5. conda create -yn opencv python=3.6.0

  6. 下記コマンドを実行し、手順4.で作成した仮想環境をアクティブにします。
  7. activate opencv
  8. 下記コマンドを実行し、手順2.でダウンロードしたOpenCVのパッケージをインストールします。
  9. pip install opencv_python-3.2.0+contrib-cp36-cp36m-win_amd64.whl
  10. 下記コマンドを実行し、Chainerをインストールします。
  11. pip install chainer

  12. 下記コマンドを実行し、「chainer」と「opencv-python」が入っていることを確認します。
  13. conda list

  14. PaintsChainerインストールフォルダ(C:\wk\PaintsChainer)に移動し、下記コマンドを実行します。
  15. python server.py -g -1

  16. ローカルサーバー「http://localhost:8000/」にアクセスし、PaintsChainerが動作していることを確認します。
  17. ※ 動作確認には八楠翆様の線画をお借りしました。この場を借りてお礼申し上げます。

切断方法

  1. コマンドプロンプトで「Ctrl + C」キーを押して動作を中断します。
  2. 下記コマンドを実行して、仮想環境を非アクティブにします。
  3. deactivate opencv

苦労したところ

以上のように、非GPU・Windows環境でもローカルでPaintsChainerを動かすことができました。
しかし、ここまで来るのに実は結構苦労しました…。

Anacondaのおかげで環境構築は楽だったのですが、何回やっても“肌色になるべきところが青色になり”上手くいきません!

結局はOpenCVのバージョンが3.1だったことが原因で、OpenCV 3.2を使うことで解決できたわけなんですが、Windows環境だと

conda install --channel https://conda.anaconda.org/menpo opencv3=3.2.0

のようにバージョン指定してもパッケージが降って来ず…。
仕方ないので、最終的にはwhlファイルから直接インストールして対応しました。

もし、私と同じようにローカルPaintsChainerの“青色”問題でお困りの方がいらっしゃいましたら、一度OpenCVのバージョンをご確認ください。


2017/3/29 追記:
実際にPaintsChainerを使ってぬりえを自動着色してみました。

参考Webページ

Windows 10に昔のソフトを入れてみました(2)前のページ

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