「VBAアクションゲーム?Excel(エクセル)で動かそう!」で有名なExcel MVPの近田さんに著書である「Excel VBAでIEを思いのままに操作できるプログラミング術」(Excel 2013/2010/2007/2003対応)の見本誌をいただきました。
(本書の中で私のHPの紹介もしていただいています。ありがとうございます。)
本書では、Excel VBAでInternet Explorerを操作して処理を自動化するための手法が解説されています。
テキストボックス(input type=”text”)やセレクトボックス(select)、チェックボックス(input type=”checkbox”)の操作方法やフォームの送信方法、スクリプトの実行方法などが具体的なサンプルを元に解説されていて、「Yahoo!メール」や「TSUTAYA online」といった実際にあるサイトを操作する方法や情報を取得する方法についても取り上げられているので実践的な学習書になっています。
そのため、簡単なExcel VBAの解説も載っているものの、初学者というよりは”マクロは書いたことがあって、Internet Explorerの操作方法についてもっと詳しく知りたい!“というような、ある程度のVBA経験者向けの解説本であると言えるでしょう。
(SleepやGetTickCountといった簡単なWin32API関数の説明も載っています。)
VBAによるIE制御で有名なKen3氏のサイト「AB型の変わり者 三流プログラマー Ken3のHP」やExcel VBAの第一人者である田中亨氏の「Office TANAKA」、膨大な量のOffice Tipsが掲載されている伊藤潔人氏の「インストラクターのネタ帳」といった参考サイトも紹介されているので、そちらも合わせて見ていけばVBAによるIEの操作について一通り学べるのではないかと思います。
コラムとして載っているWordやOutlookオートメーションも面白いですね。実践的なので実務に活用できそうです。
(こちらは本題ではないのであくまでもオマケ程度のものですが…)
一点だけ気になったのは、Webサイトの操作や情報収集といったいわゆる”ウェブスクレイピング“については、「岡崎図書館事件(Librahack事件)」(下記Webページ参照)のような事件が起こってしまう危険性について、目立つように注意書きがあった方が良かったのではないかと思います。
・岡崎市立中央図書館事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E5%B4%8E%E5%B8%82%E7%AB%8B%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E4%BA%8B%E4%BB%B6
・Librahack : 容疑者から見た岡崎図書館事件
http://librahack.jp/
・岡崎図書館事件はまだ終わっていない
http://astand.asahi.com/magazine/wrnational/special/2011011800003.html
この事件は多くの技術者を震撼させた事件で、スクレイピング処理を扱うのであれば絶対に知っておいた方が良いものです。
スクレイピングはたしかに便利な技術ですが、一方で自分が意図しないところで犯罪者になり得る危険性がある(例え問題がサーバー側にあったとしても)ことも知っておいた方が良いでしょう。
(“Yahoo!メール“の自動操作も一歩間違えればスパムメールの送信になってしまいます。)
ただ、そういった点を抜きにしても、前述の通り本書はVBAでIEを操作する技術について実践的に分かりやすくまとめられていますので、この技術を学びたい方には良書だと思います。興味がある方は是非手に取ってみてください。
(目次や概要、サンプルコードは下記URLから見ることができます。)
・Excel VBAでIEを思いのままに操作できるプログラミング術 Excel 2013/2010/2007/2003対応
http://www.impressjapan.jp/books/3384
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