今月末にAccess向けDataverseコネクタと移行ツールがMicrosoft 365の最新・月次チャネル向けに一般公開されるとの発表がありました。
半期チャネルの場合は2023年1月に提供開始予定とのこと。
The Dataverse connector is available only to customers using Access with a Microsoft 365 subscription. If you’re using the monthly channel updates, you can update your Microsoft Access application with the Dataverse connector. If you use the semi-annual channel, this will be available in January 2023.
https://developer.microsoft.com/en-us/access より
元々は昨年のIgniteで発表されていたもので、具体的な内容は下記の記事や動画を見るとよく分かります。
簡単にAccessのデータをDataverseに持っていけるコネクタ、面白そうなので早速試してみることにしました。
※以下はベータチャネル(Microsoft Access for Microsoft 365 MSO (バージョン 2206 ビルド 16.0.15227.20000) 64 ビット)で検証を行いました。今後仕様が変更される可能性があります。
データの準備
まずはAccessで簡単なテーブルを準備します。
「Online test data generator」で1万件のテストデータを作成しました(テーブル名:MOCK_DATA)。
データ型はすべて「短いテキスト」にしてあります。
Dataverseへのエクスポート
データの準備ができたので、さっそくDataverseにエクスポートしてみます。
対象となるテーブルを選択し、「外部データ」タブから「データベース」ボタンをクリックします。
※このボタンの名前について、機能に合わせて「Dataverse」にしてはどうかとフィードバックしたところ、ステータスが「Working on it」になりました。今後のアップデートでボタン名が変更になるかもしれません。
2022/5/16 追記:
本フィードバックのステータスが「Planned」に変更されました。
オブジェクトのエクスポート画面が表示されるので、テーブルを選択し「OK」ボタンをクリックします。
エクスポート画面が表示されるので、エクスポート先のDataverse環境を選択します。
プライマリ名フィールドは適当なものを指定しておきました。
検証が完了したら「OK」ボタンをクリックします。
今回はすべて「短いテキスト」のシンプルなテーブルだったので特に問題はありませんでしたが、サポートページによると、サポートされていないデータ型等で引っかかる場合があるようです。
エクスポートが完了するまでしばらく待ちます。
進捗はステータスバーに表示されるので、どこまで処理が進んでいるのか分かるようになっています。
「すべて完了です」画面が表示されればエクスポート完了です。
今回テストした5列1万件のデータでは完了までに7分程度掛かりました。
「エクスポート後にデータ行テーブルへのリンクを作成する」にチェックを入れていたのでリンクテーブルも作成されています。
Dataverseの方を確認してみるとテーブルが作成されていました。
Power Appsアプリからの更新
折角なのでインポートしたテーブルをソースにPower Appsでアプリを作ってみました。
Galleryで一覧表示してEditFormで編集するだけの簡単なアプリです。
当たり前といえば当たり前ですが、問題なくデータを更新できます。
Accessフォームからの更新
AccessでもDataverseへのリンクテーブルをソースとした簡単なフォームを作成しました。
フォームからレコードを更新すると、下図の通りPower Appsアプリ側でも反映されていることが確認できました。ちゃんとAccessからDataverse上のテーブルが更新できているようです。
今回は簡単なテーブルでテストしただけですが、思った以上に簡単にAccessとDataverseとの連携ができたので驚きました。
公式ブログで書かれている下記のようなメリットは大きいですし、Accessに慣れている方がPower AppsをはじめとしたPower Platformに触れるきっかけにもなりますので、Dataverse / Dataverse for Teamsを使える環境にある人は一度試してみてはいかがでしょうか。
- New security and compliance capabilities through Dataverse cloud storage using Azure Active Directory and role-based security while managing it from Access
- The ability to have real-time sharing and editing of Access data using cloud-based data stores, with front-end apps created in Access, Power Apps Mobile and Microsoft Teams
- New front end app scenarios on mobile devices or with Microsoft Teams
もちろん、下記サイトで書かれているようにデータ型の違いや制限等の注意点はあるので、まずはサポートページに目を通すことをおススメします。
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