「インストラクターのネタ帳」で有名な伊藤さんが執筆された書籍第二弾、「いちばんやさしいPowerPoint VBAの教本」の発売が開始されました。
(第一弾の書籍「いちばんやさしいExcelVBAの教本」については下記記事でレビューを書いています。)
新宿紀伊國屋書店さんで発売日前に売っていたので私も即買いしました。フライングゲットです。
売ってたので即買い! #パワポマクロ本 pic.twitter.com/ExZ6qomG6d
— きぬあさ (@kinuasa) 2020年1月23日
入手したのは早いのですが、コロナだ何だと色々あり、感想を書くのが遅くなってしまいました・・・。
概要
本書の目次は下記の通りで、サンプルファイルもインプレスブックスのサイトからダウンロードできます。
Chapter 1 学習を始めるにあたって
Chapter 2 オブジェクト操作の基本を確認しよう
Chapter 3 プレゼンテーションを表すオブジェクトを学ぼう
Chapter 4 スライドを表すオブジェクトを学ぼう
Chapter 5 図形を表すオブジェクトを学ぼう
Chapter 6 文字列の操作を学ぼう
Chapter 7 プレースホルダーの操作を学ぼう
Chapter 8 表の操作を学ぼう
https://book.impress.co.jp/books/1119101071 より
上記目次を見ても分かる通り、マクロの基本的な書き方については言及されていません。
「Excelでも触ったことが無く、VBAを学ぶのはこれが初めて!」という方には向いておらず、このことは伊藤さんのブログにも記載されています。
本書は『マクロで躓いたときの調べ方』を学ぶ本である
本書は、「すべてのシェイプのフォントを変更したい」「すべてのスライドを画像に変換したい」と思ったときにすぐに答えが得られるような、いわゆる逆引き本的な用途には向いていません。
もちろん、「すべてのタイトルをExcelに出力するマクロ」や「TSVファイルから表を作成するマクロ」といった、具体的なPowerPointマクロのサンプルは掲載されていますが、それらは内容のごく一部に過ぎず、寧ろオマケ的な意味合いが強いと言えます。
本書では、PowerPointオブジェクトの構造とオブジェクトブラウザー/ローカルウィンドウの使い方に多くのページを割いています。
このような特長が何を意味するか?
それはずばり、
“PowerPointマクロで躓いたときに何をヒントに調べてどのように解決するか?”
その方法を伝授することが本書の目的であると、私は感じます。
Excelのマクロであれば、何か分からないことがあったとき、マクロの記録機能をヒントにすることができるでしょう。あるいは、豊富な書籍やWebサイトで調べることもできます。
ですが、現在サポートされているPowerPointにはマクロの記録機能が無く、取り扱っている書籍やサイトも多くありません。
PowerPointの作業を自動化したいとき、マクロを活用したいときは、自分で何とかする必要があるのです。
本書では、PowerPointのオブジェクトがどのような構造になっているか、どのようなプロパティやメソッドを持っているかを階層の上から順に解説しています。
下図はPowerPointのオブジェクト階層を説明している図ですが、本書のエッセンスはここに集約されていると言えます。
「いちばんやさしいPowerPoint VBAの教本」p.17 より
合わせて、伊藤さんの下記記事でも書かれている通り、オブジェクトブラウザーやローカルウィンドウの使い方を説明することで、本書では取り扱われていないオブジェクトの操作が必要になったとき、どのように調べれば良いのかが学べるようになっています。
「いちばんやさしいPowerPoint VBAの教本」p.21 より
オブジェクトブラウザー/ローカルウィンドウはExcelでもWordでも変わりはないので、本書で得られる知識は他アプリケーションでも活かせることでしょう。
こういった特長については、著者である伊藤さんが自らブログで解説されていますので、本書を購入する前に是非一度ご一読ください。
VBAを始める一つの切っ掛けになると面白い!
「PowerPoint 300の技」のように、コンテンツのごく一部としてPowerPoint VBAが取り上げられることはありましたが、メインテーマとして取り扱っているのは、恐らく本書が初めての書籍です。
「VBA」や「マクロ」というと、どうしても = Excelといったイメージが強く、「PowerPointにもマクロってあるの?Excelは聞いたことがあるけれど…」、そう思っている方も多いでしょう。
そんな中、伊藤さんが本書を執筆されたことは、PowerPointのマクロ機能そのものを広めることにも繋がるはずです。
私自身は業務でPowerPointを使用する機会があまりないのですが、頻繁にプレゼンテーション資料を作成される方も多いと思いますので、そういった方が本書を手に取り、何度も行う面倒な手作業を自動化する一つの切っ掛けになるのであれば、伊藤さんも作者冥利に尽きるのではないでしょうか(勝手に代弁)。
最後に、参考文献として拙ブログも挙げていただきました。
ありがとうございます!
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