上野の国立科学博物館で開催中の特別展「恐竜博2019」に行ってきました。
概要
※ 休館日や開館時間などは変更される場合があるため、公式サイトで最新情報をご確認ください。
- 開催期間:2019年7月13日(土)~2019年10月14日(月・祝)
- 休館日:7月16日(火)、9月2日(月)、9月9日(月)、9月17日(火)、9月24日(火)、9月30日(月)
- 開館時間:9:00~17:00、金曜日と土曜日は20:00まで、8月11日(日)~15日(木)、18日(日)は18:00まで、最終入場は各閉館時間の30分前まで
- 公式Twitterアカウント:@dinoexpo2019
- チラシのPDF
写真撮影について
会場内は、動画撮影や一脚・三脚・自撮り棒を使った撮影、一部展示の撮影は禁止されていますが、フラッシュを焚かなければ写真撮影可となっています。
入場時に会場にいるスタッフさんから禁止事項等の説明があるので、その指示に従いましょう。
会場マップ
配布されている会場マップです。
裏面にはむかわ竜の骨格図も載っています。
混雑状況
チケット購入までの待ち時間、入場までの待ち時間、会場内の混雑状況はTwitterアカウント(@dinoexpo19_info)で、下記のようにアナウンスされています。
- 入場までのお待ち時間、チケットの購入待ち時間はございません。
- 入場までのお待ち時間はございません。
- 会場内は一部混雑しております。
- 会場内は混み合っています。
- 会場内は混雑しております。
- 会場内は大変混雑しております。
- グッズ売り場のお会計は、只今1時間待ちになります。
ツイートをザックリ読み返すと、やはり土日祝の日中は“大変混雑”となっている場合が多いようです。
北海道新聞さんが開幕時の様子をTwitterで公開していますが、やはり初日は凄まじい賑わいっぷりですね!
むかわ竜、初の道外展示 東京で「恐竜博」開幕 pic.twitter.com/2zJjLLnJ0l
— 北海道新聞 (@doshinweb) 2019年7月16日
また、上で書いた概要の通り、金曜日と土曜日は20時まで開館されていますが、16時以降の混雑状況はツイートされていないようで、Twitterからは混雑状況が分かりません。
私は土曜日の18時過ぎに訪れたのですが、館内はガラ空きと言える程ではないですが、各展示をじっくり落ち着いて見られるくらい、余裕のある混雑状況でした。
目玉展示の一つである「むかわ竜」の展示前も空いていました。
客層は子どもより大人が多く、皆静かに見学しています。
落ち着いて展示を見たい方は、金曜日か土曜日の夜に訪れた方が良さそうですね。
下の写真は閉館10分前くらいのグッズ売り場ですが、こちらも落ち着いています。
展示紹介
デイノニクスのホロタイプ標本
入場後、すぐ目に入るのが国内初公開となる、デイノニクスのホロタイプ標本です。
公式図録によると、ホロタイプ標本は“1個体の部分もしくは全体で、その種を命名する基準となるもの”(図録 p.14 より)で、今回展示されている標本(YPM VP 005205)は所蔵先のイェール大学・ピーボディ自然史博物館(Yale Peabody Museum of Natural History)ですらあまり展示室に出されてこなかった大変貴重な標本、とのことです。
デイノケイルスの前あし
続いて目を引くのがデイノケイルスの前あしです。
1965年にモンゴルのゴビ砂漠で長さ2.4メートルもある前あしの化石が発見され、ギリシャ語で「恐ろしい手」を意味する「デイノケイルス」と名付けられたものの、2006年と2009年に骨格化石が発見されるまでは多くの謎に包まれていた恐竜だそうです。
子育て恐竜マイアサウラ
“実は恐竜も子育てをしていた!”、という事実が初めて判明する切っ掛けとなったのが、このマイアサウラ。名前の由来は「よい母親トカゲ」です。
恐竜人間・ディノサウロイド
「恐竜が絶滅することなく進化を続けたらどうなるのか?」という仮説を形にしたのが、このディノサウロイド。私も子どもの頃図鑑で見たことがあります。
デイノケイルス全身復元骨格
全長約11メートル、世界初公開となるデイノケイルスの全身復元骨格です。
デイノケイルスの化石の一部は盗掘され、紆余曲折あってモンゴルへと返還されたわけですが、発掘から全ての骨が揃うまでのストーリーは公式図録に載っています。
内容濃密、写真豊富、「これで2,200円なの!?」と思うくらいお得感のある図録は超オススメです。
むかわ竜の全身実物化石と全身復元骨格
今回の特別展の目玉の一つである「むかわ竜」の全身実物化石と全身復元骨格です。
写りが悪いですが、上の写真が全身復元骨格で下の写真が実物化石です。
むかわ竜の化石が北海道以外で展示されるのは今回が初めて。
全身のおよそ8割の化石が発見された国内最大級の全身骨格化石、まさに奇跡的な発見!
これが都内で見られるとは・・・。
恐竜博ショップ
第2会場では、恐竜博2019限定のうまい棒、その名も「うまいボーン」(サラミ味)やすみっコぐらしとのコラボグッズ、デイノケイルスぬいぐるみ等々、ここでしか買えないグッズが所狭しと並んだオフィシャルショップが開設されています。
「恐竜人物戯画」とか、中々良い感じです。
感想
恐竜博2016から、およそ3年ぶりとなる今回の特別展。
夕方に訪れ、閉館まであまり時間は無かったのですが、その分館内は空いていて十分に展示を堪能できました。
デイノニクスのホロタイプ標本やむかわ竜、デイノケイルスやホベツアラキリュウ、やはり何歳になっても化石を見るとワクワクしますね!
迫力ある化石の展示も素晴らしかったのですが、個人的に分かりやすくて興味深かったのはK/Pg境界の展示です。
K/Pg境界とは、鳥類以外の恐竜が生きた最後の時代である白亜紀と、隕石衝突による大量絶滅後の世界である古第三紀を分ける境界の地層のことである。史上五大絶滅のひとつで、動物、植物の75%以上の種が絶滅したとされる。白亜紀(ドイツ語でKreide)と古第三紀(英語でPaleogene)との境であることからK/Pg境界と呼ばれている。
展示解説より
境界線が赤いライトで表現され、古第三紀と白亜紀の化石が分かりやすく展示されています。
古生代末、ジュラ紀末、K/Pg境界の大量絶滅すら生き抜いたカメ類が、1900年以降多くの種が絶滅、もしくは現在絶滅の危機に瀕していることも知りました。
“それだけ人間による環境変化の影響が大きいのか?”と、考えさせられる展示でもあります。
最後に、印象に残ったエピローグの一文を紹介します。
ここで紹介する白亜紀後期の鳥類ヴェガヴィスは、発声器官である鳴管が奇跡的に保存されており、マイクロCTスキャンを使った分析により、現在のガチョウのような鳴き声だったらしいことが推定されている。
音は形として残らないので、化石が一番苦手とする分野である。しかしこのような化石がもっと見つかるようになったら、恐竜や鳥類のコミュニケーションについて、私たちの理解を大きく前進させることができるかもしれない。6600万年以上前から、岩石の中でじっと待っていてくれた化石との出会いから、少しでも多くのことを知りたいという好奇心は、世代を超えてどこまでもリレーして行けるはずだ。
展示解説より
世代を超えてリレーする、ゲーム脳な私はすぐにロマサガ2が頭に浮かんでしまいましたが、とても心に響く言葉だと思います。
これまで続けられてきた、そしてこれからも続けられ、新たな発見をもたらせてくれるであろう恐竜研究、その成果の一端が垣間見える恐竜博2019、皆さんも是非「かはく」に足を運んでみてください。
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