「つくも神ポンポン」は、ヤングエースUPやComicWalker、pixivコミックに掲載されていた中田いくみ先生のマンガ(全一巻)です。
主人公のポンポンは“坊ちゃん”が営む手芸店の店先に飾られていた、毛糸メーカーのマスコット人形の女の子。
メーカーが工場を閉めることになり、ポンポンを片づけることになったとき、不思議な力で人形が突然動き出します。
坊ちゃんはホントにイイトコのお坊ちゃんといった感じ。
「眠い」「働きたくない」が口癖で、お盆も嬉々としてお休みしています。
でも優しい坊ちゃん、ポンポンを温かく迎え入れ、不思議な同居生活の始まりです。
感想
本書を読んだ感想ですが、一言でいうと
癒される!
もうホント、疲れている人に読んでほしい作品です。
作品の中では優しいゆったりとした時間が流れていて、風景もどこかノスタルジック。
何でもない看板や小物もどこか懐かしさを感じさせます。
「チャーミングシール」(地域によっては「ぷくぷくシール」なんて呼び方もあるみたいですね)や「ロシアケーキ」なんて単語も出てきます。
ロシアケーキ、ポンポンは美味しそうに食べていますが、私はクッキーに乗っかっているジャムの感じがどうにも馴染めず、昔はあまり好きではなかったなー。20年以上前の記憶ですが。
6話に出てくる紅ショウガの天ぷら、“関東の人はあまり食べない”なんて話を聞いたことがあるのですが、作者の方は関西出身なのでしょうか?
私も元々は関西出身なのですが、母がよく作ってくれたことを思い出しました。
こんな感じで、何でもない日常の一コマ一コマがやけに懐かしいというか、心をじんわりほっこりとさせてくれます。
絵のタッチもどこか懐かしく、何となく私はみつはしちかこ先生の作品を思い出しました。
ちょっと頼りない坊ちゃんと、坊ちゃんを厳しい目で見つつも、少なからず想っている幼馴染の小夜ちゃんとの関係もまた良きです!
もー、読んでいてニヤニヤ、頬が緩んでしまいます。
本作は、ドキドキする展開もワクワクする展開もありません。
ただ平坦な道を歩くが如く、のんびりゆっくりと、でもちょっぴり不思議な風景がそこに広がっているだけです。
でも、だからこそ読んでいてとても癒されます。
ちょっと読んでフフッとなる。
懐かしさを感じて心が温かくなる。
そんな作品ですので、最初に書いた通り、慌ただしい日々の生活に疲れている人こそ是非読んでもらいたい作品だと、私は思います。
つくも神ポンポン、オススメのマンガです。
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